Good News For People Who Love Bad News

LIVEの感想とか読んだ本のアウトプット場所 評価基準(★5 一生残しておく、★4 おすすめできる、★3 面白い点はある、★2 印象に残らない、★1 オススメできない)

Pagan Metal Alliance 11/27

Pagan Metal Alliance二日目。

 

この日は18:00ギリギリに入場。

昨日より客入りは少なく、スタート時は5割程度。

後半には7割程度入っていたのでそれなりだろう。

 

前日ずっと前にいたので、この日は右の柱横でゆったりと鑑賞した。

 

 ETHEREAL SIN

Millendium(ミレンディアム)

Millendium(ミレンディアム)

 

今回唯一の日本のバンド。

音楽性はシンフォニックブラックメタル

巫女服のコーラス担当女性がいたのが印象的だった。

しかもわりと可愛い。

 

演奏もしっかりまとまっていて聴きやすく、

速い曲も多いのでテンションが上がる。

男性の方もクリーンボイスが使えるのでメリハリが聞いていた。

25分と短い時間だったが、見た目も演奏も楽しめたのでもう数曲演ってほしかった。


2014 09 28 Ethereal Sin Finem Millennium live in ...

 

MOONSORROW

Voimasta Ja Kunniasta

Voimasta Ja Kunniasta

 

 2011年のフィンランドフェスで見たから2回目。

 

今回は1st、2ndの曲を中心で演ったため、前回とは被りが1曲しかないというお得感があった。

実は持っているアルバムが3rd以降なので聞いたことが無い曲ばかりだったのだが、10分近い大曲をどっしりとした音で演るスタイルは変わっていなかった。

やはりこのバンドは早くはないものの、勇猛果敢なメロディと要所での野太いコーラスが漢心に響く。

最後の曲で音響がトラブったことはご愛嬌だが、75分しっかりと聴き込ませてもらった。

 

セットリスト

1. Sankarihauta
2. Köyliönjärven Jäällä (Pakanavedet II)
3. Pimeä
4. 1065: Aika
5. Jumalten Kaupunki Including Tuhatvuotinen Perintö
6. Sankaritarina
7. Kuolleiden Maa

 


Moonsorrow - Bloodstock 2012 - YouTube

 

ALESTORM

Back Through Time

Back Through Time

 

初来日のUKパイレーツメタル。

 

この手のジャンルは北欧の厳しさや民族の郷愁などの陰の要素が多いのだが、ALESTORMは陽一辺倒。

キャッチャーでメロディックな曲を連発してフロアを沸かせていた。

今回唯一サーフも起きていた。

 

KEYの大きさがちょうどよくメロディがしっかり聞こえた。

そして、ドラムが非常にうまかった。

安定した片手ロールができるため、手数が多くキメるところでバシッとキメていた。

 

そんなに熱心に追っていたわけでもないが、ほとんど聞いたことがある曲だった。

恒例の舟漕ぎピットも起きて満足。


セットリスト

1. Walk The Plank
2. The Sunk'n Norwegian
3. Drink
4. Shipwrecked
5. Over The Sea
6. Magnetic North
7. Back Through Time
8. Nancy The Tavern Wench
9. Midget Saw
10. Keelhauled
11. Pirate Song
12. Wooden Leg
13. Wenches & Mead
-Encore-
14. 1741 (The Battle Of Catagena)
15. Wolves Of The Sea
16. Captain Morgan's Revenge
17. Rum

 


Alestorm - Live At The End Of The World - YouTube

 

 

2日目はトリが弱いかと思ったが、実際に聞いてみると大満足。

客入りの面では1日目より少なかったが、全体的に音響が良かったため満足度ではこちらの方が上である。

Pagan Metal Alliance、素晴らしいイベントだった。

来年もまた演って欲しい。

Equilibrium、Finntrollあたりを連れてきて。

Pagan Metal Alliance 11/26

Pagan Metal Alliance(11/26,27)に両日参加してきました。

 

B'n'F Productionsとしては最大の規模のイベントだと思う。

Pagan MetalのFesという完全に俺得なイベントを開催してくれて本当にありがたい。

 

17:30スタートだと思ったら、18:00に変更されていたらしい。

90番代で入場したが、前列2番目左側で鑑賞。

客入りは8割程度で一安心。

 

Hypocras

以前にThe Crownの前座として見たことがある。

リコーダー混じりのスイスフォークメタル。

基本的に出落ちであり、ゲラゲラ笑えるが演奏はそんなに上手くない。

前回とあまり変わっていないが、30分ほどなのでちょうどいい。

勢いもあり、観客の反応もよかった。

 

Orphaned Land

All Is One

All Is One

 

Metal Asia Agencyが安定のキャンセルをやらかしたので、3月の来日が流れたため今回が初来日。

珍しいイスラエルのバンド。

プログレロックのイメージを持っていたが、アラビア系の民族臭が思っていた以上に強かった。

同期音源と映像で雰囲気もバッチリ。

その最たるものはボーカルが貫頭衣でイエス・キリストみたいな装いをしていることだろう。

演奏自体は非常にタイトで、特徴的なフレーズもよく決まっていた。

 

セットリスト

1. Through Fire And Water
2. All Is One
3. Barakah
4. The Kiss Of Babylon (The Sins)
5. The Simple Man
6. Brother
7. Birth Of The Three (The Unification)
8. Olat Ha'tamid
9. Let The Truce Be Known
10. Sapari
11. Ocean Land (The Revelation)
12. El Meod Na'ala
13. In Thy Never Ending Way
-Encore-
14. Norra El Norra (Entering The Ark)

 

 Ensiferum

Ensiferum

Ensiferum

 

今回の個人的メイン。

2006年のフィンランドフェス以来9年ぶり。

この時は見れなかったので、今回が初めて。

 

観客の圧縮がかかり、期待度の高さがうかがえた。

ところが音が非常に悪く、3曲めになるまで改善されなかった。

2曲目が一番好きな「Guardians Of Fate」だったのが悔やまれる。

 

音自体は改善したが、ギターとKEYの音がイマイチで(これは私の位置が悪かった可能性有)メロディがよく聞こえなかった。

それでも「From Afar」からは突進力の高い曲が続き、「Victory Song」で一旦〆。

10分を超えるこの曲をやるとは思っていなかったので感激した。

アンコールも人気の高い3曲で、最後は「タッタララー!タッタララー!」の合唱。

 

セットリスト

1. In My Sword I Trust
2. Guardians Of Fate
3. From Afar
4. Burning Leaves
5. One More Magic Potion
6. Into Battle
7. Stone Cold Metal
8. Token Of Time
9. Ahti
10. Victory Song
-Encore-
11. Twilight Tavern
12. Lai Lai Hei
13. Iron

 

音響に不満は合ったものの、時間配分やパフォーマンスは素晴らしかった。

もう一回り大きな会場でもいいのではないかと思ったが、平日であることを考えるとちょうどいいサイズだったようだ。

蜈蚣Melibe「この世界には有機人形がいる」

 

この世界には有機人形がいる

この世界には有機人形がいる

 

 2014年発売。

 

鬼才蜈蚣Melibeのライフワーク、バージェスの乙女たちシリーズに連なる新作。

実に15年ぶりである。

 

人間を遺伝子改良して作られた有機人形による淫靡で性的な物語。

身体改変マゾヒズムユートピアディストピア)ものとしては家畜人ヤプーを思い浮かべるが、発想の突飛姓と性的な要素が強い。

昔は漫画界の極北、COMICフラミンゴで連載され、3巻目はAmazon電子書籍化する際に内部規定に引っかかる程の過激ぶりである。

それが、成年コミック扱いではなく一般扱いになったのだから驚きだ。

 

氏賀Y太の新作が出たこともあり、最近はグロ関係の規制がやや緩くなったのだろうか。

エロ関係の修正はコアマガジンの件があってから強いままだが。

 

さて、「この世界には有機人形がいる」が含まれるバージェスの乙女たちシリーズとの出会いだが、二階堂奥歯の日記「八本脚の蝶」で盲目的に数度に渡って紹介されていたからだ。

二階堂奥歯国書刊行会の編集者であり、20代なかばで自殺した。

今もWeb上に残る彼女の日記は以下。

二階堂奥歯 八本脚の蝶

 

正直人にすすめられる作品では無いが、マゾヒズム作品の極北として脳髄へ痛烈に響いてくる。

和楽器バンド「ボカロ三昧」

 

ボカロ三昧

ボカロ三昧

 

 2014年発売。

VOCALOIDのカヴァー曲集。

 

海外では各国それぞれの土着の楽器を使った方のフォーク・ロックがそれなりの規模でジャンルとして存在しているが、それの日本ヴァージョンがないと常々思っていた。

思いつくのは三味線、和太鼓、尺八を交えた六三四ぐらいだが、彼らはインストゥルメンタル中心で最近はBGMの仕事が中心だ。

 

そんな中、ニコニコ動画から三味線、和太鼓、尺八、琴を交えたバンド編成でVOCALOID曲をやる和楽器バンドが出てきたのは、時代だなと思った。

まあ、PVの造りやヴィジュアルなどを見ると明らかに資本が入っているが、いいものはいいんだ。

メンバーもその道で実績がある人を揃えているらしく、ライブでの演奏力も高い。

 

VOCALOID曲であることに文句が無い訳では無いのだが、楽曲のアレンジの秀逸さには脱帽する。

和楽器部分の入れ方をこうも魅力的にやればもう、オリジナルの域に達する。

正直、オリジナル曲の方はあまり印象に残らない。

 

海外のフォーク・ロックバンドは伝承歌を歌うことが多いが、VOCALOID曲というところが日本は未来に生きているなーと思う。

 


【和楽器バンド】天樂 Tengaku 【VOCALOID】 - YouTube


【和楽器バンド】六兆年と一夜物語 Roku Chounen to Ichiya Monogatari ...

J・A・シーザー「大鳥の来る日 THE END OF THE WORLD」

 

J・A・シーザーコンサート 大鳥の来る日~THE END OF THE WORLD~

J・A・シーザーコンサート 大鳥の来る日~THE END OF THE WORLD~

 

 2014年発売。

2013年に豊島公会堂で行われたLIVEの音源。

 

私も観に行ったのだが、会場ではだいぶピーキーだった前半の音響がしっかり編集されて聴きやすくなっている。

 

半分程はJ・A・シーザーがメインでボーカルを取る曲である。

残っている本人の音源が30年以上前のものなので、声は老いたがよく出ている。

そして、土着性の呪詛を含んだような声質は変わっていない。

 

その他は、劇団員20人程の合唱による「少女革命ウテナ」関連曲。

子供数人による「田園に死す」のOP。

ゲストの蘭妖子ボーカル曲。

小演劇を入れつつ演った曲。

そして、出演者総出で演った「大鳥の来る日」で幕を閉じる。

 

J・A・シーザーの最大の魅力はやはり歌詞であろう。

リズムよく意味の繋がらない単語を繋げ、全体的なイメージで世界観を作り上げるスタイルは寺山修司そのものである。

 

シーザーが曲の終わりに手書きの歌詞を配っていて、「煙草極楽浄土」の歌詞を手に入れたことが最大の思い出。

 

2015年5月13日

リクエストを頂いたので、「煙草極楽浄土」の歌詞の写真を追加

f:id:Chorno1986:20150513173010j:plain

f:id:Chorno1986:20150513173006j:plain

 

須賀しのぶ「芙蓉千里」

 

芙蓉千里 角川文庫

芙蓉千里 角川文庫

 

 2009年発売。

全4巻の1巻目。

第12回センスオブジェンダー賞大賞受賞作品。

 

舞台は明治40年。

売れっ子女郎めざして自ら「買われ」、海を越えてハルビンにやってきた少女フミ。

身の軽さと機転を買われ、女郎ならぬ芸妓として育てられたフミの翻弄される人生を描く。

 

最近、大戦前後の娼館をテーマにした作品に手を出している。

作者の須賀しのぶは上智の史学科出身であり、時代背景には信頼をおいている。

また、「流血女神伝シリーズ」を愛読していたこともあって、文章の相性も良い。

良くも悪くも少女小説出身とは思えないテーマで攻めてくる人だが、恋愛要素は少女漫画的である。

 

著者の特徴として、過酷な環境に追い込まれつつ柔軟に変化しながら時代を生きていく人物を主人公に据えることが多い。

暗くなりがちな環境を強いる場合が多いが、主人公の性格が明るく前向きであるため暗さはあまりない。

 

当作もこれに該当するようで、1巻はまだ人物と環境の設定にとどまっているが、2巻以降のあらすじを読むとがらっと環境が変わっているようなので、続きを読んでみるとする。